よく質問されるので、「まじでおすすめだよ!」っていう1冊を。俺の動画で解剖生理を勉強してみて面白いと思ってくれた人が読んだらきっと面白い。(俺も持ってます↓)
個人的に、これから看護師になる人に頑張って身につけてもらいたいのは患者さんを見る力なんですよね。
つまりアセスメント。
(自称・ぽんこつの柄にあわないけど、ちょっとだけマジメに書いてみると、)
看護を行っていく上で、患者さんから得られる情報というのは限られています。その貴重な主観的情報や客観的情報がそろっていても、それらを使って分析できないと解決するべき問題を把握できないし、客観的に評価することもできません。
得た情報をどのように①分析して、②推測⇒③解釈と判断、どのようにそれらを統合、適切な④選択をしていくか。
- ①分析 今ある情報からその原因を考える
- ②推測 今ある情報から何が起きているのか、今後何が起こるのかを予測する
- ③解釈と判断 予測したことを受け手(自分以外の人)に分かりやすく説明し、正常なのか異常なのかをはっきりさせる
- ④選択 問題点がいくつか出たとしたら、その中で優先順位をつけたり、いくつかあるケアの方法から適切なものを検討したりして導き出す。
みんなも看護師になると、この辺が求められるんじゃないかなと思います。
情報が何を示しているのかを、自分自身だけが把握するのが目的ではなく、それを自分以外の人にも分かるように説明しなければいけないんですね。(←これかなり大事。)
実習中に、「あなたの実習記録だと他の人が見たときに同じケアができないよ」、「文字が汚くてなんて書いてあるか読めない」って言われたことありませんか?俺だけかなw
「文字が小さすぎて読めない」とか言われた人とかならいるかな?
自分以外の人が見ても理解できるかを意識してみてくださいね。
で、話を戻すと、
得られた情報から合併症や感染徴候に対して早く気が付いて早い段階に対処することができれば、患者さんの負担を軽減することが可能になります。
そして、問題点を早く導き出すことができれば、適切なケアに繋がって回復の促進、そして安心・安全・安楽な生活を提供することにもつながります。
そこで、うちに入職してくる1年目のみんなに毎年プレゼントしているのがこれ。
個人的に思うこの本のいいところというのが、
簡単に解説すると、
①まず人間の身体を機能を13個(例えば、呼吸や循環、生体防御など)に分けています。第1章に「ホメオスタシス」をもってきてるのが何とも言えない。すごくいい。
あと、第4章に「摂食・嚥下機能」、第5章に「栄養吸収・代謝機能」、第6章に「排泄機能」ときちんと分けて、「消化器」と1つにまとめていないのも最高。
もう1つ、第7章「運動機能」と第8章「運動調節機能」で分けてるのも◎。「運動機能」で運動器、「運動調節機能」で神経系、さらに第10章「高次脳機能」で大脳を扱ってるというね。
②その13個それぞれの正常な機能に関する知識を改めて確認できます。いわゆる解剖生理学なんですが、臨床で必要な解剖生理がコンパクトにまとまっていて、豊富な図・表・絵で説明されているのがいい感じです。
③「破綻」=それぞれの機能が正常に働かなくなったこと、つまり病気なわけです。そこからどのようにして症状が現れるのかのメカニズムが載ってます。根拠も。
今このブログを書いているときに本をぱっと開いてみたら第5章だったんだけど、学生のときにイレウスは学んでいても、機能的イレウスの原因疾患の1つのヒルシュスプルング病なんてやってないですよね。国試に出てこないし。そういう病気もちゃんと載ってます。ゾリンジャー・エリソン症候群とかもわかんなくないですか?w
1冊と言っちゃったけど、上の本を読み終えた人やアセスメントに困ってる看護師はこれもぜひ読んで!
フィジカルアセスメントの実際はこっちで。(おすすめな点は今後追記していきますね)
「あなたの看護=あなたのアセスメント力」
解剖生理は看護を楽しむための準備、としつこいぐらいに話してきました。
看護師になってからも勉強は続きますが、臨床に入ってから勉強することと学校で学んだことって少々違ってきます。最低限必要なことを学んで看護師の仕事を存分に楽しんでくださいね!
(こういった本を使って看護師向けの勉強会も開いているので是非それも参加してください。)