患者情報:Aさん(52歳、男性)は最近、倦怠感や疲労感が続いており、腹部の圧迫感が強まったため受診した。腹水と浮腫、黄疸が認められ、肝硬変と診断され入院した。身長165cm、体重75kg、腹囲95cm。
血液検査:Hb8.5g/dL、Alb2.5g/dL、アンモニア125μg/dL、AST<GOT>58IU/L、ALT<GPT>28IU/L、総Bil2.2mg/dL、尿量700mL/日。
問題1 肝臓の働きで正しいものを2つ選べ。
- 1. アンギオテンシンⅠの生成
- 2. アルブミンの合成
- 3. 胆汁の生成
- 4. プロトロンビンの分解
- 5. エストロゲンの合成
問題2 腹水貯留を示している数値はどれか。
- 1. Hb
- 2. AST
- 3. Alb
- 4. アンモニア
問題3 腹水のアセスメント項目に該当しないのはどれか。
- 1. 飲水量
- 2. 体重
- 3. 尿量
- 4. 排便量
問題4 Aさんに腹水穿刺を行うことになった。腹水穿刺時の注意点として正しいのはどれか。
- 1. 腹式呼吸をさせる。
- 2. 血圧低下に注意する。
- 3. 全身麻酔の介助を行う。
- 4. 1回の排液量は2,000mL以上とする。
問題5 肝硬変患者の意識が混濁し始めた場合、アセスメントで最も重要なのはどれか。
- 1. 血糖値の上昇
- 2. ケトン体の増加
- 3. 血漿浸透圧の上昇
- 4. 血中アンモニア値の上昇
問題6 肝硬変で皮下出血、腹水貯留および手指の振戦がある患者に対する食事で適切なのはどれか。
- 1. 高蛋白食
- 2. 高脂肪食
- 3. 低残渣食
- 4. 塩分制限食
問題7 退院後、Aさんは医療機関への受診を中断し3年以上が経過した。ほぼ毎日、アルコールを大量に摂取していた。今回、夕食後に約1,000mLの吐血があったことから緊急入院となった。体温35.5℃、呼吸数27/分、脈拍125/分、血圧89/42mmHg、顔面蒼白、冷汗を認める。
血液検査:赤血球290万/μL、Hb8.0g/dL、総Bil4.5mg/dL、NH3200μg/dL、K4.0mEq/L、血糖110mg/dL
Aさんの状態として考えられるのはどれか。
- 1. 急性アルコール中毒
- 2. 食道静脈瘤破裂
- 3. 迷走神経反射
- 4. 低血糖発作